Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第15章 君のために僕が出来ること
僕がケーキを差し出すと、首を横に振って…
「さっきは悪かった。ちょっと感情的になり過ぎた」
そう言って、相葉ちゃんに向かって頭を少しだけ下げた。
「そ、そんな謝んないでよ。俺に演技力がないのも、貴族の役が似合ってないのも、事実だからさ。でも俺さ、せっかく貰った役だしさ、最後まで頑張るよ」
なんてってミラクル相葉ちゃんだかんね、そう付け加えて、相葉ちゃんは声を上げて笑った。
そうだよ、相葉ちゃんだもん。
きっとミラクル起こせるよ。
僕はそう信じてる。
「だな? ミラクルだよな? よし、俺も食うぞ」
松潤が箱の中からケーキを一つ掴む。
あ、それ僕が二番目に狙ってたケーキ…
「うめぇ~」
箱の中には、ポツンと一つ残った、苺が乗ったシンプルなショートケーキ。
僕はそれを掴むと、パクリとかぶり付いた。
「おっ…、うま…」
フワフワの生クリームが、口の中で一瞬で溶けてなくなる。
後に残ったのは、鼻を抜ける甘い香りで…
僕はほっぺたが落っこちないように、空いた手で押さえた。
「美味しいね、リーダー」
「うん、美味しいね、相葉ちゃん」
大好きなスイーツを囲みながら交わされる、いつもと変わらない会話と、そして笑顔…
これが僕達なんだ。
下らない批評に左右される必要なんてない。
”らしく”いられればそれでいい。
無理に頑張る必要なんて、どこにもない。
全力で楽しむだけ。
それでいいんじゃない?
ね、そうでしょ?
おわり♡