Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第15章 君のために僕が出来ること
「何かさ、皆ゴメンね? 俺のせい、だよね? 俺が…」
相葉ちゃんが、今にも泣き出しそうな顔に、無理矢理笑顔を貼り付ける
「俺、やっぱ向いてないんだよね…。それにさ、“貴族”なんて柄でもないし…」
何で?
何でそんなこと言うの?
相葉ちゃんは何も悪くないのに…
「俺の力が足りないばかりに、皆に嫌な思いさせちゃって…、ゴメン…」
相葉ちゃんがその細い腰を折って、皆に頭を下げる。
皆それを、ただ黙って見ていることしか出来なくて…
そうだよね、こんな姿見せられちゃったら、何も言えないよね…
現に僕だって、こうして相葉ちゃんの手を握ってることしか出来ないし…
どうしたらいいの?
あ、そう言えば…
「あのね、ケーキ買って来たの。一緒に食べよ?」
僕は相葉ちゃんの手を握ったまま、楽屋の隅に置かれた冷蔵庫へと引っ張った。
冷蔵庫のドアを開け、中から箱を取り出すと、それをテーブルの上に置いた。
「この間ね、差し入れで貰って食べたんだけどね、超美味しくってさ…。相葉ちゃんと一緒に食べようと思って買って来たの」
相葉ちゃんをソファに座らせ、僕は箱の蓋を開ける。
途端に広がる甘い香りに、相葉ちゃんの顔が少しだけ綻んだ。