Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第82章 さま♡らぶ
えっ…?
驚いて振り向くと、薄暗くなった中でも分かる光る白い歯と、肩がこりそうに太い金のネックレスがキラリと光って…
「どう…して…?」
「約束したし…」
「で、でも遅れちゃったし…」
だから僕は、てっきり怒って帰っちゃったのかと思ったのに…
「バイトでしょ? 仕方なくね?」
それはそうなんだけど…
「で? 俺に話って? あ、ちょっと待って?」
僕の隣に腰を下ろして、櫻井さんがピッと背中を伸ばすから、僕の背中も自然と伸びる。
「あ、あの…ね、僕…ね、櫻井さんのこと…さ…」
ああ、どうしよう…
何度も心の中で練習した筈なのに、いざとなると上手く言葉が出てこない。
でも櫻井さんは僕を急かすことなく、“うんうん”と頷きながら、僕の次の言葉を待っている。
しっかりしろ、智!
僕は自分に気合いを入れた。
「最初はね、同じ男だし、好きとか…さ、恋愛感情…ってゆーの?理解出来なかった。でもね、櫻井さんは別かな、って…」
「それはさ、俺のこと“特別な存在”として見てくれてる、ってこと? さっきは散々俺のこと“馬鹿”って言ってたのに?」
ゲッ…、聞かれてたんだ…
「ごめんなさい…。でも本当に僕…」
そう…
僕にとって櫻井さんは、他の誰でもなく…
とっとと彼女作ってバイトも辞めた、裏切り者の雅紀なんかとも違う…
特別な存在なんだ、って気付いたんだ。