Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第82章 さま♡らぶ
好きだ、って自覚してからは、何をしていても櫻井さんのことが頭を離れないし、櫻井さんが顔を出す時間が近くなると、何故だか気持ちがソワソワしちゃって…
おかげでオーダーミスは繰り返すし、店長さんには怒られるし、もう散々だったんだけど、それでも妙に落ち込んだりしなかったのは、櫻井さんの笑顔がそこにあったからなのかもしれない。
それくらい、櫻井さんの存在は、僕にとって大きなものになっていた。
でも、元々夏休みの期間だけだて決めていたバイトも、残り数日って頃になると、櫻井さんと会えるのも後数回なんだ、って思う度に寂しさが募って来ちゃうわけで…
本当にこのままで良いのかなって…
自分の気持ちに嘘ついて、誤魔化したままで良いのかなって…
何度も何度も自問自答を繰り返した。
答えなんて、最初っから一つしかないのにね。
だって僕が櫻井さんを“好き”って事実は、もう変えられないって気付いちゃったから。
僕はバイトの最終日、夕暮れ時のビーチに櫻井さんを誘った。
僕の方から誘うなんて初めてのことだったから、櫻井さんは凄く驚いた顔をしてたけど、すぐに真っ白な歯を輝かせて、それからちょっとだけ照れたように笑った。