Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第82章 さま♡らぶ
「は、はあ、そう…ですけど…」
適当に返事を返すけど、僕はその人に全く見覚えがない。
ただ、僕がカキ氷屋でバイトしてることを知ってるってことは、僕が覚えてないだけで、もしかしたらお客さんの中の一人なのかもしれない…と思ったんだけど…
「あ、やっぱり? 俺さあ、カキ氷屋も気になってたけど、お兄さんのことも気になってたんだよね」
どうやら違ったみたい。
だって、”気になってた”ってことは、気にはなってるけど、”食べたことはない”ってことだもんね?
ってゆーか…
「え、僕…ですか?」
僕は意味が分からず、ベンチに寝っ転がったままで首を傾げた。
だってさ、僕的には初対面だよ?
なのに”気になってる”なんて言われたって、そう簡単には理解出来ないもん。
しかも、だよ?
ただでさえ戸惑っている僕に、
「俺と付き合わない?」
って言われたってさ、当然即答なんて出来る筈もなく…
「は、はあ? えと、あのちょっと待って…? 僕、”男”だよ?」
僕が聞き返すと、チャラ男さんは”知ってる”とばかりに頷いてから、突然何かを思いついたように姿勢を正した。
「私、櫻井翔と申します。突然こんなことを申し上げて、大変失礼かとは存じますし、お兄さんが男性であることも重々承知しておりますが、もしよろしかったら私とお付き合いをして頂けませんでしょうか」
そういって僕に右手を差し出してきた。
ってゆーか、見た目がチャラいだけに、凄いギャップなんだけど(笑)