Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第81章 今は無理でも…
その後、大したことはなかったから、とマネージャーからも、勿論翔くん本人からも連絡を貰ったし、番組の収録中ではあったけど、元気そうな声だって聞けた。
だから一応は安心した。
でもそれだけじゃ全然足りなくて…
顔がみたい。
今すぐにでも飛んで行って、本当に元気なのか…、自分の目で確かめたかった。
ただそんなことが当然のように許されるわけもなくて…
僕は、目に見えない敵を前にした時、いかに自分が…いや、僕だけじゃない、“人”という存在がいかに無力なのかを思い知らされたような気がした。
一目顔を見るだけなのに…
それすらも叶わないのが、悔しくて堪らなかった。
だから…かな…
画面越しにではあったけど、翔くんの元気な姿を見たらつい嬉しくてなっちゃって…
絶対ニノや松潤から揶揄われるって分かってたけど、目が離せなくなっちゃったんだ。
それくらい、いつも通りの笑顔を見れることが、嬉しくて、幸せで…
手を伸ばせば届くんじゃないか、って思うくらい、翔くんを近くに感じて…
本音を言えば、抱きしめて欲しかったし、僕が抱きしめて上げたかった。
勿論、そんなこと出来っこないし、叶えられるわけもないんだけど…
でも顔を見られるだけで…
僕の名前を呼んでくれるだけで…
今はそれだけで十分なんだ、って…
そう思えたんだ。