• テキストサイズ

Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】

第81章 今は無理でも…


それまであった“日常”が、日を追うごとに“非日常”へと変化して行く最中、俺の身体に起きた異変…

目に見えるような、大きな変化ではなかった。

寧ろ、通常であれば見過ごしてしまうレベルの異変だった。

でも、今のこの“非日常”の中では、絶対に見過ごしてはいけない小さな変化に、俺は内心心苦しさを感じながらも、レギュラー番組への出演を取り止めることにした。

物事の分別もつかない子供ならまだしも、それなりに常識を備えた大人であれば当然の事と思っての決断だった。

後々、“英断”だとか“勇気ある決断”だとか、散々もてはやされることにはなったけど、内心はそんな立派なもんじゃない。

このまま好きな人に会うことも、抱きしめることも出来なくなってしまうのかもしれないと思ったら、不安で不安で堪んなくて…

表面上は平静を保ちながらも、心の中は何も考えられないくらいに、ぐちゃぐちゃになっていた。

それでも心配をかけたくない一心で、智くんにメールを送った。

「大丈夫だから」
「心配しないでね」

って…

でも智くんからの返事はなくて…

やっぱり智くんに一番に知らせるべきじゃなかったと後悔した。

普段あまり多くを語らない人だけど、その分心の中では俺たちメンバーのことをとても大切に思ってくれてるのを、彼の一番身近にいた俺は痛い程知っていたから…

そして、彼なりに葛藤してるんだってことも、その後グループLINEに送られて来た短いメッセージの中にも感じ取ることが出来た。

でもね智くん?

君の“大丈夫!”の一言に、俺がどれだけ助けられたか…

君はきっと知らないよね?
/ 324ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp