Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第79章 風の日はいつ?
いかにも、漢字覚えたての子供が思い付きそうな質問に、俺の方が頭を抱えてしまう。
もっと小さい頃ならともかく、もう下手な嘘が通じない年頃だから、下手な誤魔化しなんて出来やしない。
仕方ない、ここは正直に話すしかない…とは言うものの、“風の日”が存在しない理由なんて、俺知らないし(;^_^A
さてどうしたもんか…
俺が首を何度も捻りながら考え込んでいると、和が卓上カレンダーを再び捲り始めた。
そしてある月のカレンダーで、ピタリとその手を止めた。
「僕いーこと思いついた!」
「ん、なになに?」
「あのね、6月ってちゅくじつが1個もないの」
うん、確かにないかも…
「だからね、6月に“風の日”を作れば良くない?」
「お、それ良いかもな(笑)」
「でっしょー♪」
自信満々に鼻を鳴らした和は、テーブルの上にあったサインペンを手に取ると、丁度6月の中旬頃に黄色い丸を付けた。
「この日を“風の日”にすれば、学校お休みなるよね?」
えっ、ちょっと待て、それは違うぞ?
「いくら和がこの日を“風の日”に決めたって、学校は休みにはならないよ?」
「ええ〜、そうなの? ( ˘-з-)チェッ」
ガッカリとばかりに肩を落とす和は、無言で空のコップを差し出すと、俺に麦茶のお代りを要求した。