Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第50章 これまでも、これからも…
朝ご飯を食べ終えた翔くんが、着替えのために寝室へと入る。
その間に僕は洗い物を…なんて考えていると、寝室の方から僕を呼ぶ声。
「あのさ、俺の靴下知らね? あ、あとアレどこやったけ?」
はあ…、また始まったよ、いつものルーティーンが…
「靴下は三段目の引き出し。それから腕時計はリビングのテーブルの上」
洗い物の手を止めることなく僕が返すと、着替えを済ませた翔くんが、大きなボストンバッグを手にリビングに入ってきて、テーブルの上に放置されたままの腕時計を嵌めた。
「もう、探すくらいならそんなトコで外さなきゃいいのに」
「それはだって智くんが悪くね? 俺が帰るなりさ…」
「うっ…、分かったからそれ以上言わないで…」
昨夜のことを思い出したら、急に顔が熱くなるのを感じて、僕は翔くんの背中を押すと、そのまま玄関まで押しやった。
「行ってらっしゃい」
「うん、行ってくる」
軽くキスを交わして、翔くんの背中に手を振る。
小さくなる背中が、何だか寂しい…