Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第50章 これまでも、これからも…
「あ、そうだ」
玄関ドアを開けると寸前、何かを思い出したように翔くんが振り返ったと思うと、突然腕を引き寄せられて、僕は翔くんの胸に飛び込んだ。
「愛してるよ」
「えっ…?」
「ごめんね、今夜一緒にいられなくて」
「な、何言ってんの? それより急がないと…」
僕が翔くんのマネに怒られちゃうよ…
「うん、分かってる。でもさ、少しだけ…ね?」
エネルギーチャージなら、さっき満タンにした筈なのに…
「翔くん…?」
「シッ、黙って? 今、智くんに俺のエネルギーを送り込んでんだから」
そんなことしなくても、僕はいつだって翔くんにパワー貰ってるのに…
「よし、チャージ完了。行ってくる」
「うん、行ってらっしゃい、翔くん」
不思議だね…
さっきまで背中を見送るのがあんなに寂しかったのに、今は全然寂しくないや…
やっぱりエネルギーチャージして貰ったお陰かな。
胸の奥が暖かいや…
ねぇ、翔くんは覚えてる?
15年前のあの晴れた日、君が照れながら僕に言った言葉を…
僕は今でも覚えてるよ?
君がくれた言葉も、
真っ赤に染まった君の顔も、
まるで昨日のことのように鮮明に憶えてる。
だって忘れられるわけないじゃん…
愛してるよ、翔くん
きっとこの先もずっと、ただあなた一人を…
おわり♥