Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第50章 これまでも、これからも…
寝室の方から物音がして、リビングのドアが開く。
「おはよ…、つか、今日早くね?」
寝癖のついた髪を手でガシガシと掻きながら、翔くんが一つ大きな欠伸をする。
「智くん、今日仕事昼からでしょ?」
メンバーのスケジュール管理が趣味の翔くんは、僕のスケジュールもしっかり把握している。
「うん、そうなんだけどさ、目が覚めちゃって…。それに今日は翔くん朝早いって聞いてたから」
最近の翔くんは、新しく始まるドラマのプロモーションやなんかで、超過密なスケジュールをこなしている。
朝早く家を出て、帰りが深夜になることだって珍しくない。
今日だって…
「ほら、顔洗ってきて? その間に朝ご飯用意しておくから」
ソファーに座って新聞を開こうとした翔くんに言う。
だって、一旦新聞を読み始めてしまったら、僕が何を言っても聞こえないんだから。
「ん、分かった。あ、でもその前に…」
ニヤニヤしながら手招きをするから、僕はコンロの火を止めて、翔くんの横に座った。
すると、逞しい腕が僕を包んで、僕の唇に翔くんの唇がチュッと音を立てて触れた。
「よし、エネルギーチャージ完了。顔洗って来る」
もう…、翔くんのバカ…
でもこれだっていつもと変わらない光景なんだ。