Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第50章 これまでも、これからも…
いつもより早く目が覚めた朝。
僕の隣で豪快な鼾をかいて眠る翔くんを起こさないよう、僕はそっとベッドを抜け出す。
物音を立てない様に寝室を出て、リビングに入った僕は、真っ先にカーテンを開ける。
「なんだ…、曇りか…」
澄み渡る青空を期待していた僕は、がっくりと肩を落としながらも、キッチンに立った。
いつ翔くんが起きてきてもいいように、コーヒーメーカーのセットをして、その横には揃いのマグカップを置いて、白いプレートに、簡単なサラダを盛り付ける。
後は翔くんが起きてきたら、トーストと目玉焼きを焼くだけ。
ほぼ毎日変わらない、朝の定番メニュー。
本当はさ、炊き立ての真っ白なご飯と、お豆腐とわかめの味噌汁、それから焼き魚…なんて朝ご飯も作ってあげたいけど、それも中々出来なくて…
いつも心の中で”ごめんね”って繰り返すことしか出来なくて…
それでも残さず食べてくれるのが嬉しくて、”ごちそうさま”って言って貰えるのが嬉しくて、だから僕は毎朝翔くんのために朝ご飯を作るんだ。
翔くんが喜んでくれるから…
あの日から変わらない笑顔を、僕にくれるから…