Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第46章 きっと、ずっと…
上級生VS下級生の試合が始まった。
上級生は5人。
下級生は4人。
体格差や人数を考慮して、俺も外野で参加することになった。
但し、俺に攻撃権はないから、攻撃するのは和たち4人の役目。
俺はあくまでサポートに徹することになった。
でも…
いくら大人の俺が助っ人として加わったって、和たち下級生チームの劣勢は明らかで…
上級生のな投げる豪速球を、小さな身体で受け止められるわけも無く…
仮に受け止めたところで、まだ小さな手から繰り出されるボールは、亀並みに遅く感じる。
結局、最初は4人いたコートも、最終的には和一人が残っていて、何とも心細い状況になっている。
上級生4人に、和一人で勝つ事なんて、奇跡でも起こらない限りありえないだろうな…
俺は、当然他の三人も早々に諦めるだろうな…そう思っていた。
でも俺のそんな思いは、智くんの、滅多に聞くことのない大きな声によって翻った。
「かじゅー、がばれ!」
「カズ、負けんな!」
「カズ、頑張れ!」
智くんをきっかけに、二人が次々とコートの中の和に声をかける。
その声に、上級生たちの気が少し逸れたのか、緩く回転したボールが和の足元に転がった。
「カズ、チャンスだ!」
『イケー!』
ボールを手にした和が、皆の声に応えるように大きく頷いた。