Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第32章 夏を乗り切れ!
「な、何ここ…、病院…?」
「そうみたいね?」
手術台とかが雑然と並んでて、明らかに廃墟的な病院、って感じ?
特に何も起こりそうもないけど…
翔くんからランタンを取り上げて、辺りを照らしてみる。
その時…
『痛いよ…、苦しいよ…』
どこからともなく聞こえて来た声。
あ〜あ、なるほどね(^-^)
「な、何? どこから聞こえてんの? 誰もいないよね?」
さあ、それはどうかな?
一歩踏み出した足元で、パキッと何かが割れた音がした瞬間、手術台に寝ていた、内蔵剥き出しの人魚がムクっと起き出して、赤い液体を垂らしながら、手術台を降りた。
「こ、こ、こ、コッチくんな…! アッチ行け!」
まるでシッシってするみたいに翔くんが手を振る。
ダメだってば…
それ、余計に煽ってっから(笑)
「ひ、ひえ〜ッ…! やめて〜!」
内蔵剥き出しゾンビが、全力でコッチに向かって走って来る。
当然、翔くんは僕の背中に隠れてしまい…
「も、もぉ、やだぁ…、早く帰ろ…?」
すっかり泣き声になってる。
そろそろ限界…かな?
僕は壁に設置された“非常用”と書かれた電話を手に取った。
「もしも〜し?」