Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第25章 僕らの一等賞
子供達がそれぞれの席に着き、暫くすると、先生の号令と共に行進曲が鳴り響き、子供達は運動場の中央に向かって行進を始めた。
余程練習したのか、皆実にキビキビとした動きだ。
子供達が運動場の中央に整列すると、開会の言葉、そしてありがたくも長い校長先生の話があって、準備運動が始まった。
当然だけど、和のやる気スイッチはこの時点でしっかり切れている。
それでもなんとか準備運動を済ませ、子供達は観覧席へと戻ってきた。
その時、一瞬だけど和と目が合った…ような気がして、俺は胸の辺りで拳を二つ作ると、ガッツポーズをして見せた。
そして始まった紅白別れての応援合戦。
紅白の旗を振りながらの応援合戦は、流石高学年の子供達だけあって、なかなかの迫力だ。
和も5年生になったらあんな風に…
なぁんて、淡い期待は抱かない方がいいのかな…(;^_^A
それが終わると今度は一年生のかけっこだ。
俺はビデオとデジカメを手に、ゴールが正面から見える位置に移動した。
勿論、松岡さんも一緒だ。
三脚にビデオをセットしてあるから、あとは”録画”のボタンを押すだけだ。
「おい、それ寄越せ。俺が撮ってやっから、お前はしっかりガキの応援してやれ」
松岡さんが俺の手からデジカメを奪っていった。
「ありがとうございます…」
俺は松岡さんに向かって頭を下げると、その場にしゃがみ込んだ。
名前を呼ばれた子供達が、順番にスタートラインに立つ。
そしてピストルが打ち鳴らされると同時に、ゴールの白いテープに向かって全力で走ってくる。
小さいながら、中々の迫力だ。