第3章 ほんとの君は…?
すばるside
初めてひなの家で会ったときから
変わってるとは思てたけど…
実際二人で会ってみたら
更に変なやつやと思う(笑)
たまたま腹が空いて
食いもんを探して歩いてる途中
こいつが男と一緒におんのを見て
つい出来心的に助けたもんの
ひなに心配をかけたくないから
黙っといて欲しい…
とか必死に言うこいつを見てたら
なんか不思議な生き物を見てる気分で
腹が空いてたんもあって
つい飯に誘ってしまった…
でも店に入ってからも
下を向いたままぜんっぜん喋らずに
運ばれてきた飯と
俺が無理やり頼んだビールを
黙々と口に運びつづけてて…
なんかここまで来たらあれや…
もう珍獣…の域やな…
こんな変なやつに出合ったことがないわ(笑)
試しに
「こないだの質問の答は…?
結局お前はひなのどこが好きなん…?」
そう前を向いたまま聞いてみたら
「どこがって言うか…
なんでしょう…一緒にいると…
わくわくするし、ドキドキもするし、
私が知らなかった世界が
こんなにも沢山あったんだなぁって…(笑)」
なんてしみじみと語りながら
ひとり楽しそうに思い出し笑いを初めて…
その顔を横目に見てたら
なんかわからんけど
こっちまで顔がにやけてくる…(笑)
でも突然
「へへへ…(笑)」
なんて笑い声がして
驚いて隣に顔を向けたら
「村上さん…好きです(笑)」
そう呟いて
ビールのせいか
真っ赤になったほっぺたで
そりゃもう極上に
幸せそうに笑ったかと思うと
机につっぷして
"ぷすぅ…ぷすぅ…"
なんて少し苦しそうに息を吐き出しながら
寝息を立て初める…
ほんまなんやねんこいつ…(汗)!
恋愛から離れすぎてて
今の言葉も笑顔も
ひなに向けられてるって解ってんのに
無駄にドキドキしてしまったやんけ(涙)!!