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君と回る世界

第3章 ほんとの君は…?


「あの…ありがとございます…」


そう私の手を引き

怒ったようにずんずんと力強く歩く

渋谷さんに声をかけると


やっと立ち止まって

くるりと私の方に振り向くと

不機嫌に地面を睨み付ける…



「あれはただの昔の知り合いというか…

ちょっとしたストーカーというか…(笑)

だから浮気とか変なことでは無くて…」



そう言った私の言葉に




「ひなは知ってんの…?」



そう渋谷さんがポツリと呟いた瞬間



頭で考えるより先に



「ダメです…絶対に言わないで下さい!!」




そう叫んでしまっていて

渋谷さんはすごく驚いた顔で

私を見つめる…




だから慌てて



「あの…だから…

村上さんはすごく仕事忙しくて

だから私のことでまで

迷惑かけたくないんです…

だからお願いします…

今日見たことは

村上さんには言わないで下さい…」



そう言葉を付け足すと

きょとんとした顔をした後



「お前…変なやつやな(笑)」



なんてふわりと笑って

私の髪をぐしゃぐしゃと掻き回して…




「ほんなら…

黙っといてやるからその代わり

飯付き合って(笑)?」



そう言うと

私の答えも聞かず

前を向き歩き始めた…
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