第3章 ほんとの君は…?
花side
何がどうなってこうなったのか
私には…
どうしても解らない…(涙)
今日は村上さんから
ずっと知りたかった答えを
もらえる日だったはず…
なのにどうして今私は
色白でキレイな肌をした
背の高い人や
女の私より細いんじゃないかと思うほど
華奢なのにどこかかワイルドな人と一緒に
鍋を囲んでいるんだろうか…(涙)?
「花ちゃんはひなのどこが好きなん(笑)?」
色白で"横"と呼ばれている人に
そう突然話しかけられ
「あ…の…えっと"ひな"って…?」
なんて訳がわからず戸惑う私に色白さんは
「あぁ…"ひな"じゃ解らんのか…
じゃあ改めて村上のどこが好きなん(笑)?」
そう言って楽しそうに首をかしげる…
実際そうなんだよな…
私は村上さんについて
知らないことが多い…
何の仕事をしているのかも…
好きな食べものも嫌いな食べものも…
好きな色も嫌いな色も…
彼女かいるのかさえも…
私は知らない…
だったら私は
村上さんの何を知ってどこを
好きになったんだろう…?
そんなことを
グツグツと煮えるカニを見つめながら
考えていると…
「花ちゃん…?」
そう再度名前を呼ばれ
顔をあげると
みんなの目が私を見つめていて
なんだか息がすごく苦しくなる…
「す…いません…
あの…私…すいません(涙)」
そう小さな声で呟き
「おい…花!?」
そんな私を呼ぶ村上さんの声にも振り向かず
ベランダに飛び出し急いで窓を締め切り
ため息を吐き出すと…
キラキラ光る夜景が
さっきまではきれいに見えたのに
なぜだか今はどこか
暗く淀んで見えてくる…
これだから嫌なんだ…(笑)
人なんて嫌いなのに…
1人でも生きていけるのに…
誰かを好きになんてなるから
こんな風に苦しくなる…
そう解っているのに
人を好きになるなんて…
どうして私はこんなに
バカなんだろうなぁ…(涙)