第4章 誰の仕業?
ぎぎぃ…ぎぎぎ。
鈍い音がしてドアが現れた。
私は自分の部屋のはずなのに、なぜかノックをして部屋に入った。
「環くん…。いる??」
おそるおそる部屋を開けながら問いかける。
返事がなかったので、部屋に入ってみると…
環くんはソファーにうつ伏せになって寝ていた。
「環くん!?環くん!!」
驚いた私は、環くんの体を揺すってみる。
反応ナシ。
もし先生を呼んだら、この部屋の存在がバレてしまうけど、校長に許可を貰っているわけだから大丈夫だろう。
それより!環くんが倒れてるって早く知らせないと!
「環くん!先生呼んでくるからね!死んじゃダメだよ!」
そう言って私は、駆け出そうとした。
パシッ!!
その瞬間、私は環くんに腕を掴まれた。
「死なねーから。」
そう、うつ伏せの状態のまま喋った環くんの声はどこか悲しそうに聞こえた。
「そうだよね。環くん。大丈夫?」
心配に思って私は環くんに聞いた。
「だい……ぶ。じゃ…よ。」
「ん??なに?聞こえない。」
「大丈夫?じゃねーよ!!なんでまおっちは人の心配ばっかしてんだよ!1番辛いのは…1番辛いのはまおっちだろ?」
そう言って顔を上げた環くんの頬には 涙が伝っていた。
「俺のせいだろ!? 俺がちょっと人気だからってこんな所、写真に撮られて、ばらまかれて、嫌だろ!別に好きでもねーやつと噂されたって…嬉しくねーよな。」
そう環くんは…私に言った。
なぜか私は泣いてしまっていた。 なぜだろう。
「あ。ごめん。俺、言いすぎた」
「も…し…ない。 もう!環くんなんて知らないから!」
そう言って私は部屋から出ようとした。
「どこ行くんだよ!今出てったって囲まれるだけだろ!」
そ、そうでした。私は今追われている人間だった。
「悪い…言いすぎた。 あのさ…まおっちって俺のこと嫌い?」
なんで急にそんなこと聞くんだろう。
「別に…嫌いじゃないよ。」
ホントは好きだけど…なぜか今の私は素直に言えなかった。
「俺は…俺は好き。真緒のこと。」
……え。今なんて??
「え。それってどういう…」
「あーもう!!友達じゃなくて!1人の女として好きってこと!!!」
私は今…環くんに告白されてるの…??