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紅き姫の下剋上はーれむ。【R-18】

第1章 紅き姫の誕生


「えっと……あの?」

「すまない。お前の家に連れて行ってはくれないか。それで、お前とエレインの……お前の母の話を聞かせてほしい」

誰だこのおじさん。
いきなり人に抱きついてきたと思ったら、今度は家に連れてけ?しかも、私と母さんのことを話せって?
ほんと、何様。

そう思い、断ろうとしたが、あまりにも真剣な目を前にし、そんな考えは全て失せてしまった。

「いいわ。ついてきて。こっちよ」

この人も母さんのことを知っているみたいだった。私を母さんと間違えて抱きしめるくらいだ。母さんの恋人?それとも、母さんのストーカー?いや、そんなわけはないか。でも、もっとありえない考えを私は信じていた。

もしかしたら、この人は私の父ではないか、と。

死んだ、と母さんに言われてきた。
でも、生きている可能性だってある。だって、お墓参りにも行ったことがないのだ。それだけじゃ、理由としては不十分かもしれないが、私はこれを信じたい。私の父だと言われてもおかしくはない年齢だと思う。

私は彼を連れ、下町から少し離れた所にある森にひっそりと佇む、私と母さんしか知らない小屋へと向かった。
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