第56章 作戦会議
「大丈夫かぁ、拓。」
傷だらけの西村先輩が腕を回しながら此方へ向かってきた。
その後ろに他の幹部の人達もいる。
先輩が起きる前に来たのだ。
「おぅ。」
先輩が手を上げた。
今ここに、極使天馬の幹部の人達が勢揃いした。
「マジ、姉御ハンパなかったんだよッ!!」
「血だらけの姉御が"仲間助けるのは当たり前だろ。あたしについてきなッ"てよ!!マジ興奮した!!」
前田兄弟が興奮気味にあたしの話を他の兵隊さん達にしていた。
というか話が彼等の妄想をプラスして美化している。
やめて!!
あたし、そんなことまで言ってない!!
それに血だらけじゃない!!
思わず叫びたくなった。
「姉御感服しましたッ!!俺等姉御の親衛隊として守っていきます。」
強面の兵隊さん達があたしの前に勢揃いした。
先頭に嶋中さんがいる。
「シマさんズルいッスよ!!姉御は俺等が守ったのに。」
ブゥーブゥーと前田兄弟が文句言っている。
「あのよぅ、ハッキリ言っとくけど特攻隊長の俺が兵隊の中でトップなんだよ。」
がたいのいい体格の嶋中さんが鼻息を出しながら彼等を見ている。
「おいおいおい、誰が決めたんだ?親衛隊長の俺の方が上だろうがよ、嶋中ァ。」
親衛隊長である眉の面積が非常に狭いアイパーの髪の男の人が前へ出てきた。
「柴田、テメェ俺を忘れんな。遊撃隊長の俺様が上なんだよ。」
今度は茶色のモヒカンヘアーの男の人が出てきた。
「袴田(はかまだ)…いや、バカ田は出てくんじゃねぇッ!!」
嶋中さんが叫んだ。