第55章 男達の闘い
「喧嘩するのに……サングラスかけて……音楽聞いてチャラチャラするんじゃねぇッ!!」
頭を仰向ける。
唯一、南に負けないものがある。
それは、
"気合いと根性と仲間を思う気持ち"
ぐしゃぁッ―――
バキィッ―――
「ぶはぁッ―――」
激しく頭を南の顔面に降りおろした。
サングラスが勢いよく折れる。
鼻血を激しく吹き出した。
「だから……俺のレゲエ魂を――」
「そんなのしるかァッ!!」
ドガッ―――
放れた拳を力一杯南の顔に打ち込む。
摩擦で手の甲が擦れ、血じんわりとにじみ出ている。
でも痛みは感じない。
ただ勝つためだけの執着心が先輩の腕を動かした。
「だから、俺はァ――激しいロックが好きなんだよッ!!」
バキィ――
反対側の拳で殴り込む。
「激しくて――」
バコッ―――
「熱くなるような―――」
バキィ―――
「そんな奴が大好きなんだぁぁああ!!」
ガシッ―――
南の服を激しく掴んだ。