第55章 男達の闘い
「またここに来ちまった、…つっても来ねーとどやされるんだけどよ。」
ボリボリと腹を掻きながら堀田が呟いた。
今、彼は岩中宅の前にいる。
大きな塀があるため中の様子は見えない。
「まっ、さっさと岩中の若殺って終わらせるか。」
そう言いながら門の前に立った。
「なんジャおどれは―――あっ、おどれはいつしかの――」
ドガッ―――
「ブハァッ―――」
ドザァ―――
門の前に立つ見張りの男がいい終える前に、堀田は顔面に拳を入れた。
鼻の穴から血を吹き出しながら男が倒れた。
「ワンパンかよ。コイツホントに見張りか?」
鼻で笑いながら上から見下ろす。
そして、ゆっくりと門の中へ入った。
ザッ――ザッ――ザッ――ザッ――
スニーカーの底が地面に敷き詰められた石を叩く音が響く。
「きさん、何者やッ!!」
「豪龍会かッ!?」
「かちこみジャッ!!」
それに気づいた組員達がゾロゾロと建物から出てきた。
皆、刃物やら拳銃を持っている。
「豪龍会じねーけど……まぁ、たいしてかわんねーか。」
そう呟くと、ボキボキと拳を鳴らした。