第52章 歯車
「なんで…ワシがまたアイツの下なんじゃッ!!」
同じ頃。
大きなマンションの部屋で松下が叫んだ。
結局、彼はまた加藤の下に落ちてしまった。
まるで幻を見ていたかのように。
―――ナンデナンデナンデ。
その言葉が頭の中でこだまする。
ガシャンッ―――
彼の手によって、高級なお酒が床に落ち…激しく割れた。
置物も、次々と割れていく。
「クソがぁッ!!あの若もあてにならんわッ!!……こうなったら、何がなんでも小者を食うたる!!ワシが一番になるんやッ!!」
松下の叫び声が部屋中に響いた。
ワシが頂点に立ったる。
ひれ伏せ、グズ共―――――