• テキストサイズ

レッテル 1

第51章 溺れた者と再来




ドンッ―――

彼の方ばかり見ていたので、誰かにぶつかってしまった。

「すいませ……あっ。」

「また、アンタかよ。」

彼が不機嫌そうに前を見ている。

「おーおー、赤助に桜ちゃん。奇遇だねぇ、三度目ともなるともう完全に運命だろ。」

頭を掻きながらアザのある堀田さんが目の前で笑った

「はいはい、そうかよ。」

誠也君は堀田さんに興味無さそうに言うと、あたしの手を引いた。
「まぁ、本当に…"偶然"ならな。」

「は?」

バコッ―――

「誠也君ッ!?」

堀田さんの拳が彼の頬に入った。

「………っ、なにしやがんだテメェ……。」

誠也君の眉間にシワが寄る。

「なにって……目的果たすんだよ。でないと、こんな腐った町に来た意味がねぇ。」

ポケットから煙草を取り出し、くわえて火を着けた。

「なぁ、赤助。いや…極使天馬の総長"秋本誠也"。」

白煙が彼の口から吐き出された。



/ 1026ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp