第6章 思い出
6月。
毎日のように外は土砂降りの雨だった。
昼休みにあたしは手帳を出し、24日の日をハートで囲った。
「24日ってなんの日なん?」
早苗がマスカラをつけながら言った。
「誠也君の誕生日。」
あたしは笑顔で答えた。
今回は付き合って2回目の彼の誕生日を迎える。
去年は学校が違ったので余り祝えなかった。
だから今年はちゃんとしたい。
「なにあげるの?」
「まだわかんない。」
手帳を閉じて鞄にしまった。
「じゃあさ、プレゼントはあ・た・し……てのは?」
美奈子がセクシーなポーズをとった。
「いや、無理無理無理!!」
想像しただけで恥ずかしくなる。
「じゃあさ、さりげなく聞いて見れば?」
あたしはコクリと頷いた