第47章 極使天馬vs爆鬼
ほんの少し前
「……俺、目が覚めたらクローゼットにいたんだ。したら、下から声がして、行ってみたら姉御が……男達に捕まってた。」
バイクを降りた勇人が俯いた。
「男達って?」
「辰川だ。もう一人はわかんねェ。」
拓の言葉に俺が答える。
「それで、ゲームしようって言われて、一発でも当てたら……返してくれるっていうから――」
「無理だろ。」
「テメェは一言多いんだよッ!!」
バコッ―――
「いてェッ!!」
ハルが翔の頭を殴った。
「…当てられなくて…やられて……それで…それで――」
勇人の声が震えている。
ギュッと唇を噛み締めて拳を握った。
「気にすんな。俺達にまかせろ。」
拓がポンポンと勇人の頭を撫でた。
「そうそう、俺等は負けねぇ。」
翔が拳を握る。
「俺等の男気見せてやる。」
清が肩を鳴らす。
「いっちょやるか。」
「財布もいただき。」
ハルとタケがハイタッチした。
「なら、行くか。俺達は、やられたら何倍にもして、やり返すんだ。」
俺の言葉に皆がバイクに跨がった。