第5章 出逢い
「ねー、聞いた?」
昼休み。
教室は授業中の事件のはなしでもちきりたった。
「何が?」
千加が興奮気味に言うのであたしは首をかしげた。
「今日の喧嘩の話。なんでも女を取り合って喧嘩したらしいよー。」
「へぇ…。」
あたしはそう返事をしながらショックを受けていた。
あの先輩好きな人いたんだ。
そう思うと胸がいたんだ。
「なんでもその女って2年らしいよー。誰だろ?」
ヤバい…泣きそう。
「あたしトイレ行ってくる。」
そう言ってあたしは教室を飛び出した。
ドンッ
「きゃっ!!」
走っていると誰かにぶつかった。
前を見ていなかった為、誰だかわからない。
「大丈夫?」
誰かが手を差し出した。
「すいま…せ――。」
顔をあげるとそこには今一番会いたくない人がいた。