第39章 日本男児達の逆襲
「桜!!」
デイビットに言われた部屋のドアを開ける。
ベットに横たわる彼女の姿が目に入った。
ゆっくりと近付く。
すると、彼女は眠りに堕ちていた。
まるで、眠り姫のように。
美しい顔で、優しく呼吸をしながら。
「よかった…。」
やっと出逢えた。
そう思うと胸が熱くなった。
込み上げてくる思い。
愛しさ。
早く触れたくなった。
血が出る唇を拭う。
そして、彼女の顔に自らの顔を近付けた。
愛してる。
それを言葉に現さずに、口付けで表現した。
「……ん…誠也君…。」
まるで、おとぎ話のように、彼女が口を開いた。
自分の名を呼んでいる。
たとえ寝言でも、うれしさで口許が緩んだ。
そして、彼女をゆっくりと抱き抱える。
近くに置かれていた制服や靴や鞄を手に持って部屋を出た。