第35章 地獄
「………っ……。」
いつの間にか眠っていたようだ。
窓がないため朝かどうかは分からない。
イアンは未だに横になっている。
「あ…。」
あたしを繋いでいる鎖から彼が手を離している。
今なら逃げられるかもしれない。
鎖をゆっくり音が出ないように手繰り寄せた。
そして、ゆっくりと立ち上がる。
「Don't you think that it can escape from me?(俺から逃げられると思ってんのか?)」
彼がゆっくりと体を上げた。
「You are my thing until you die.(お前は死ぬまで俺の物だ。)」
振り向いた彼の瞳がギラリと光った。