第28章 下と上
「でも…不良になっても何もかわらない―――。」
俯いて呟いた。
「そりゃそうやろ。お前が変えたい思わんから変わらんのや。」
「……え?」
「ワシかて昔はイジメられっ子やったんやで?でもな、負けるのが悔しゅうて必死になって鍛えたんや。」
灰皿で煙草を揉み消した。
「したら学校で一番なってな、ワシに逆らう者はおらんくなったっちゅうわけや。やけん、ジブンも変わろう思わななんも変わらんで?努力が必要なんや、なんでも。」
ハンドルを右にきった。
「着いたで、行こか。」
加藤達は車を降りた。