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レッテル 1

第24章 男の中の男




「お前似合ってんじゃん。」

「だろ?夜露死苦!!」

紫の小さな特効服を着た勇人君が振り向きながら片手を上げている。
背中には金色で"伊中 勇人"と書いてある。

「おいおい、どこで覚えたんだお前。」

「ちょっとな。」

しゃべり方や仕草まで彼に似てきた。
髪の色まで金髪に変わっている。
もう、あたしの知っている勇人君じゃなかった。

「姉御。」

「姉御!?」

あたしの事まで"姉御"と呼ぶ始末。
最悪だ。

でも、最近勇人君にも友達が出来た。

「こんちわース、おっ良いじゃん勇人。カッコいい。」

茶髪の子供が入ってくる。
勇人の隣のクラスの子で甲斐田 拓真(かいた たくま)君だ。

「あったりめーだ。俺の弟だからな。」

誠也君が勇人君の頭を豪快に撫でた。

「やめろよ、髪乱れんだろ。」

「生意気言ってんじゃねー。」

彼がグリグリと拳で勇人君の頭を押さえる。

「離せよ兄貴、今から出掛けんだからさー。」

「どこに?」

「女ひっかけに。」

「バカか!!」

「いてぇ!!」

豪快に誠也君は勇人君の頭を殴った。



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