第20章 犠牲
「もうあいつ等はダメだな、もう更正も無理だろ。」
竹井先輩が呟いた。
「パチンコで家族奪われて残された子供はどうなるっつんだよ!!パチンコが何かしてくれるんかよ!!ただ、子供から親を奪って儲けてるだけじゃねぇか!!」
三善先輩が叫ぶ。
「だが、世の中それがわかってても止められねぇ奴は沢山いんだよ。勇人みてぇな子供もな。」
黙っていた西村先輩が呟いた。
「じゃあ――アイツひとりぼっちになっちまうじゃねぇかよ!!それでいいんかよ!!」
再び三善先輩が叫ぶ。
「今は俺等が家族になればいいじゃねぇか…勇人の。」
煙草を揉み消しながら大川先輩が言った。
「そうだな、今はそれしかねぇ。」
西村先輩が続く。
「ちくしょうっ―――」
三善先輩は強く拳を握った。