第12章 手
誰も知らないお話があります。
ある男の子には保育園から中のよい親友がいました。
その子は、とっても無愛想であまり人から好かれませんでした。
けれど男の子はその子とずっと一緒にいました。
ある日無愛想な親友が言いました。
"好きな人が出来たと。"
男の子にも好きな人がいたので、男の子は一緒に頑張ろうと思いました。
男の子の好きな子はとても人気のある子でした。
だけど、男の子は諦めずに影から女の子を毎日眺めていました。
時折見せる女の子の笑顔の虜だったのです。
だから毎日眺めました。
そして、親友が好きな子が出来たと言った日から一ヶ月後、
親友は一枚の写真の切り抜きを眺めていました。
男の子は何気なくそれを見ました
それは、自分の好きな女の子の写真だったのです。