第10章 嘘と助っ人
「誠也が自白した!?」
極使天馬の集会所。
泣くあたしの後ろで竹井先輩が叫んだ。
後輩の人に電話していたようだ。
「はぁ!?」
「あいつ、何考えてんだよ!!」
西村先輩が叫んだ。
壁に反響して声が跳ね返ってくる。
「…橋田だな。」
藤崎先輩が呟いた。
「橋田?橋田ってあのグズ野郎か!?」
「あぁ。」
三善先輩の言葉に頷く。
「裏で汚ねぇ事ばっかりやってるらしい。ヤクザにも密通してるって噂だ。」
「て…事は、またあいつ等か!!」
「たぶんな。」
そこまでいうと、藤崎先輩は煙草に火を着けた。
あたしは、あいつ等という言葉にピンときた。
きっと岩中興業だ。
「松下の野郎、汚ねぇ事ばっかりしやがって…。」
三善先輩が拳を握る。
「乗り込むか?」
黙って聞いていた大川先輩が口を開いた。
「いや…。」
「じゃあ、どうすんだよ!!」
「…仕方ない、あの人達に頼もう。」
藤崎先輩は携帯を取りだした。
「まさか……。」
電話を終えた竹井先輩が口を開いた。
「俺、あの人マジ苦手なんだよ…。」
三善先輩が頭を掻く。
「仕方ねぇだろ!!これしか手はねぇんだ!!」
藤崎先輩は電話をかけた。