第1章 空気と同じ透明から
「えっ!?一緒に!?何言ってるの主!?」
心底びっくりした顔で清光は言いました。
「説明したよりも、実際に使っているところを見た方が早いので…わたしと入るの嫌なら頑張って説明します!」
「嫌とかじゃなくて!えっ、主大丈夫?
もしかして俺の怪我とか血まみれで気持ち悪かったと思うしそのショックで…」
はい?えっあの、何かおかしなことを言っているのでしょうか?
「たとえ清光の片腕とかがなくなっても、わたしは清光が大好きですよ!
ああでも、その時は清光を傷つけたものにやり返したりとか自己嫌悪とかでどうにかなってしまいそうですが…」
あれ?どんどん論点がずれて、脱線したまま走ってませんか?
「いいえ、今はそういう話じゃなくて、お風呂が使えないと困りますよね?
清光にはこの後に来る他の人達の先輩になりますから、後輩にしっかり教えられるように、わたしが色んなことを丁寧に教えたいんです」
「で、でも、一緒にお風呂、とか…嫁入り前の主に、そんなこと…」
どんどん話が見えなくなります。…そうだ!
「じゃあ、こうしましょう」
そして、銭湯とほぼ変わらない作りのお風呂場で、わたしと清光はずらりとシャワーが並んだ壁の前、隣に座っています。
体が見えなければいいらしい清光の希望から体にはタオルを巻いています。
脱衣所には沢山真っ白なバスタオルがあったのでそれを使いました。
それに、背の高い本棚みたいなロッカー?にはかごが規則的に並べられていて、その中の1つにはわたしの着替えと狐からのメモ。
明日服を沢山持ってきてくれるらしいです。
わたしにぴったりのサイズの所謂ネグリジェみたいなパジャマと下着、その隣のかごには清光のサイズの浴衣みたいなものが入っていました。
清光に下着の有無を聞いたところ、あったから見ないでと言われてしまいました。
着替えの際もこっち見ないでねとか言われてしまいました。
嫌われてるのか聞いてみたら、むしろ嫌ってないから無理だとか言われちゃって…男の子とはよくわかりませんね。
回想はここまでにしておいて、早くお風呂の使い方を教えちゃいます!
「まずは頭から洗いましょう!
シャワーで適当に頭を濡らします!」
「わかった、確かこれだよね」
清光は一番勢いが強い所までひねったのでびくっとしてました。
二人顔を見合わせて笑っちゃいます。