第6章 きょうだい 其の貳
そろそろ起きないと、ですね。
もうちょっとしたら玄関にみんな集まるでしょうし、暇ですし、転た寝してしまう前に移動しましょう。
玄関に来て、一番乗りは思った通りですが、今剣でした。
「今剣、一番早かったですね!」
えへへーと笑いながらちらちらと何か言いたげにしている今剣…ああ、多分頭を撫でて欲しいんですね!
「早く行動できることはいいことです!
沢山撫でてあげますね」
「やったー!」
弟がいたらこんな気持ちになるのでしょうか?
すごく、とてつもなく、脅威的に可愛い…。
「あっ、いいなー主に撫でてもらってるー」
清光もやってきて、羨ましそうにします。
わたしはちょいちょいっと手招きしました。
「最近主に構ってもらえてなーい」
ぶっきらぼうにふてくされたように言います。
「うーっと、清光はわたしよりも背が高いので、頭を撫でにくいですし、抱きしめようと思っても、わたしが抱きついてるようにしなかならないですし…」
「それでいいからもっと構ってー」
可愛すぎる構ってちゃんですね。
「清光、そんなこと言ってないで、ほらほら早くこっちにどうぞっ」
急かすと素直に近付いてくるので、清光もどこか弟みたいですよねぇ…。
「ちょっと屈んでください」
「うん、このくらい?」
中腰になってもらい、わたしの頭より清光の頭が下の位置に来ました。
片手は頭を撫でるばかりでは飽きてしまうので今剣のぷにぷにしたほっぺたを触ってみたりして、もう片方は清光の頭を撫でます。
こんなことで喜んでもらえるなんて…。
わたしのがテンションが上がります!
「あーるーじーさーん!ボクも撫でて撫でてー!」
「おい乱!廊下は走るな!」
乱は薬研の注意を無視して走ってきました。
薬研の後ろには燭台切もいて、二人ともやれやれといった顔です。
「二人ともっボクと交代!」
しょうがないだとかなんとか言いながら二人は一歩引きました。
「みんなが可愛すぎて、わたしは辛いです…嬉しすぎて早死にしそう…っ」
乱は帽子を取ります。
「あるじさんは長生きだよ!
何たってボクらがいるんだから!」
これは簡単には死ねませんね。
わたしは乱の頭を撫でました。髪の毛がさらさら。
「ボク、頑張ってくるからね!」
「はい!応援して待っていますね!」
むぎゅーっと抱擁しあってから離れました。