第6章 きょうだい 其の貳
「そういえば主。今日は鍛刀するの?」
「えーっと…余裕があれば、ですかねぇ。
資材の感じだと、今日は1振りまでにしておきましょうか」
…資材?何か、資材を使うもので忘れていることがあるような…。
「あ!刀装!足りません!」
昨日までなら出陣は2人でしたのでよかったのですが、今日は3人です。
「俺作るよ!何個作る?」
「1つです!清光、また忘れない内に作りに行ってもいいですか?」
「全然いいよ!早速作ろう!」
「あーっ!あるじさま!あとでぼくともあそんでくださいね!」
今剣がぱたぱたと手を振ります。
わたしはわかりましたと答えて手を振り返し、清光と共に退室しました。
「主、昨日から気になってたんだけど、今剣と何かあった?」
「え?どうしてですか?」
清光は刀装を作りながら話します。
「や、その…主から、今剣の神気が異常に感じる気がして…今はもう普通なんだけどね。
多分みんな気付いてると思うんだけど、聞く機会がなかったから」
中々に痛いところを突く話題ですね。
どうしましょう…。
「うー、ん…?」
清光には悪いですが、何も答えない選択をしました。
これはちょっと、他言無用というか、絶対喋っちゃダメな話ですよね。
清光は今までと同じ刀装を作ったようです。
これ、作っている本人にもどんな刀装ができるのかわからないっぽいですね。
「わからないならいいんだけどさ。
もしも主に何かあったら…俺、どうするのかわかんないなぁ、って」
本気で言っているのでしょう発言に、正直ビビってしまいました。
ビビビって、わたしの平和ボケした本能が危険を察知する程度には。
「わたしはみんなを信じています。
だから、絶対に大丈夫ですよ?」
清光は刀装を棚に直しました。
3つ目です。そろそろ別種類も出てきそうですね。
「だからこそ、だよ。
主がそんなにもいい主だから危ないかもなの」
「うっ」
でこぴんをされました。いてて。
「俺だって、主を何処かに連れ去ったりするくらいなら簡単にできるんだからね?
主が悲しむから絶対にしないけど!」
「ふふふーっ、そうですかそうですか」
「ちょっと。真面目に聞いてるー?」
わたしと清光はわははっと兄と妹みたく笑いあってじゃれあいました。