第6章 きょうだい 其の貳
思ったよかだらしなく、だらだらーっとだらけた格好になってしまいました。
ある意味病人感があるといいますか。
「大将…正気か?まだ寝惚けてるのか?」
ベッドから下りたものの、何故かベッドに顔を埋めている薬研。
「もうぱっちり目は覚めてますよ?
ああ、そうか、鍵を開けないと出られないですよね。
わたしはもうリビングの方へ行きましょうか…。
薬研も早く着替えてくださいね!」
てってこと移動して戸を開けます。
「薬研の方こそ、まだ眠いですか?」
「いや…ああ、大丈夫」
何でしょう、着替えのことでしょうか。
流石に身内に着替えを見られても何とも思わないのがわたしの意見なのですが、薬研は気にするのでしょうか?小学生ですか。
でもでも、流石に(ここでは外見が)年上だと抵抗があるので極力避けたいです。
あーそういえば乱に服を選んでもらった時は…うーん、あれはこう、試着室前でじゃれあう女子ののりでしたからね…それは清光も同様だったような…うーん…?
まぁ過ぎたことですしどうでもいいでしょう。
リビングに向かう途中薬研と分かれて、わたしはそのままリビングのキッチンへ向かいました。
「おはようございまーす!」
「おはよう!今日は早いね」
朝ご飯の匂い…そして燭台切の笑顔。
朝がやって来たと強く感じますよ。
「冗談ですけれど、一体何処の良い旦那さんかと思いました!
あ、お嫁さんがよかったらお嫁さんでもいいです。
次この冗談を使うときにはそうします」
朝だからか、わたしのテンションがちょっとおかしいです。
「ん?後半がちょっとよくわからないな。
強いて言うなら、君の所に永久就職してるね」
「あはは。専業主婦みたいなことを言いますね。
旦那さんを否定しない辺りが最高に面白かったですよ。
冗談はさておき、朝ご飯は何ですか?」
燭台切の近くへとずんずん踏み込みます。
「今日はフレンチトーストだよ。
これであってるといいんだけど」
「え、こんな美味しそうな匂いがしているのに自信がないと仰ります…?」
何と吃驚。料理下手に謝罪を求めます。
「見たこともないものだからね、やっぱりちょっと自信は持てないかなぁ」
「燭台切のお料理は全部美味しいですよ?
もし焦げちゃったりしても、みんなが残しても、わたしが全部食べますからね!」
流石に止めるなと笑われてしまいました。