第6章 きょうだい 其の貳
「まだ眠たそうですけど、結局何時に寝たんですか?」
「ん…俺っちも眠たかったからなぁ…時計は見てないからわからないな」
今は朝の6時とかそのくらい。
みんなが起こしに来るとしても、多分30分以上後です。
「今日は…昨日と同じ感じ、ですかねぇ…。
朝ご飯を食べたら、誰が出陣か遠征か話し合ってー…そうそう、ご飯の買い出しも…」
「買い出し?今日は大将、留守番じゃあなかったか?」
「えっ。も、もう大丈夫…ですよ?」
わたしのお留守番は決定してましたっけ。
治ったらいけるものだとばっかり…。
「確か明日、遠出するんだったよな?
その為にも今日はゆっくり休んでもらって、明日はぱーっと遊ぼうぜ。
大将がいない間にみんなで集まって予定の話をしたんだが、その時はそういうことになってた筈だ」
うむむ…何時なんどきも『みんな』という言葉の力は壮大で壮絶です…。
「遠出、とはいってもそんなに遠くないですよ。
政府が管理しているところなので…さにわと刀剣男士以外は来ない所だから、資料を見たところ、実在する建物の劣化番みたいな感じでしたから疲れることも少ないと思います」
「実物を見たことがないからどうとも言えないが…それでも、だ。
外出するのには近場にせよ何にせよ、体力がいる。
何を言ったところで、大将が今日ここでゆっくりするのは変わらないぜ」
うー、薬研の話を聞くところ、誰も丸め込めなさそうです…悔しい。
寝転んだまま話していたわたし達ですが、わたしが反論できなくなりどちらともなく起き上がりました。
「あ、薬研の髪、寝癖ついてます」
「寝癖はわかったから、大将は早く着替えた方がいいんじゃないか?
…まさかとは思うが、そのままみんなの前には立たないよな?」
目を泳がせながら薬研は言います。
「え?ご飯食べるまで着替えなくてもいいんじゃないですか?
でも薬研が言うなら、今日は着替えることにします!」
今日はずっと家にいるなら、楽な格好をするのでいいですよね。
…スウェットとか?ジャージとか…スウェットですね。
スウェットを出して寝間着をぽいぽい脱ぎます。
というかわざわざスウェットに着替えなくても寝間着のままでいいんじゃ…いや、パジャマっ子じゃないよという主張になりますし無駄な着替えではないです。