第4章 雪辱は必ず果たそうと
できあがったのはクリームシチューでした。
ルーを溶かすだけみたいなものなので、交代でぐるぐるかき混ぜていくだけで簡単でした!
細かい作業(大切な所ですがね)は燭台切が大半やってくれましたし、絶対おいしいです!
「…まだでしょうか…」
全然帰ってこなくて、ちょっと怖くなってしまいます。
「君の話だと、前回は早々に引き上げたんだよね。
時間がかかっているということはそれほど奥に進めたってことじゃないのかな?」
「ですよね!刀装も持っていってもらったし大丈夫ですよね!
でもでも、行ったり帰ったりするシステム?みたいなところが故障とか…そんなのだったらと思うと…」
「ボクらちゃんと帰って来たでしょ?
それはないと思うなー」
わたしは落ち着けないでリビングをぐるぐる歩きます。
燭台切と乱はわたしよりずっと落ち着いて、一足先にクリームシチューを食べています。
わたしはというと、一緒に食べ始めたのですが早くに食べ終わってこの調子です。
「ただいまー」
「…幻聴…?」
遂に聞こえちゃだめな声が聞こえるように…?
「嬉しいことに現実だよ」
燭台切が笑いながらそう言います。
現実…?
はっとして、ばたばたと玄関まで走ります。
「お帰りなさいっ!」
そこに立っているのは、清光と今剣。
どこにも怪我は見当たりません。
「い、痛いところは?怪我は?
そのっああっと、えと…」
「誰もどこも怪我してないよ。
…ただいま、主」
「ただいまかえりましたー!」
元気にそう言ってくれて、血とか出てたりしなくて、嬉しくて嬉しくて…。
「~っさ、さ!取り合えず服、着替えましょうか!
お腹すいたでしょう?ご飯たくさんありますよ!
それともお風呂先に入りますか?」
「おなかすきました!ごはんがいいです!」
「それじゃあ俺もご飯にするねー」
「わかりました!用意しますね!
お疲れさまでした!」
ご飯ご飯と楽しげに今剣は自室へ駆けていきました。
「…清光…よく、頑張ってくれました!」
「主からの命令だからね!」
わたしはぺたぺた清光の顔を触ります。
「本当に…ありがとう、ございます…!」
無事に帰ってきてくれたことが何よりも嬉しくて、鼻がつんとして目が熱くなりました。
この気持ちをどうしたらいいかわからなくて、清光に飛び付いて感謝の言葉を繰り返しました。