第4章 雪辱は必ず果たそうと
5つ目のお握りを作ろうとラップを出そうとした時、ただいまー!と元気な声が。
「お帰りなさーいっ!」
玄関で靴を脱ぐ乱と燭台切。
「お疲れさまです!怪我とかはないですか?」
「何も問題ないよ。これ、集めた資材だよ」
「ありがとうございます!片付けてきますね。
まだお握り全然できてないのですが…いくつかはあるので、着替えが済んだら食べていてください!」
返事を聞いて、わたしは手入れ部屋の資材入れに資材を入れました。
リビングでは談笑しながらお握りを頬張る二人。
わたしは真っ直ぐキッチンに向かって、せっせとお握り作りを再開します。
「あるじさん戻ったんなら言ってよー!
ボクもお手伝いするから!」
乱が食べかけのお握りを片手に飛んで来ました。
「食べてる途中に立ち歩いちゃだめです!
それにこれは、わたしが作りたいんです。
…そうそう!みんなが帰ってきたら、今日は一緒に鍛刀しましょう!
乱の兄弟、誰か来てくれるかもしれません!」
「勝手に話変えないでよー。
あるじさんが作りたいのわかったから!
ボクは大人しく待ってるよ!
それから鍛刀のこと、約束だからね!」
乱は机の方に戻って、お握りを食べ始めました。
すぐに手伝うって言ってくれて、優しいですね。
暫くお握りをにぎにぎしていたら、ご飯がなくなりました。
あー…意外と足りなかった、かもです…。
二人で4つはちょっと、少ないですよね…。
「えーと、あー…うーん…どうしましょう…」
「何かあったの?」
「燭台切!」
その時のわたしに燭台切は、世界の救世主に見えました。
「お握りが少なくて、たくさん食べさせてあげたいのですけど…」
「追加で何か作ろうってことだね。
そんなことお安いご用だよ、任せて!」
一人で作り始めてしまいそうなのを慌てて止めます。
「あのっわたしも作りたいです!」
「わかった、それじゃあ一緒に作ろうか」
「えー二人だけでお料理ー?」
乱もやってきて、結局3人でお料理することに。
前回の出陣ではかなり長い時間帰ってきませんでしたが、今回はどうなるのか…。
兎に角、急いで作るに越したことはないでしょう。
おいしい料理、作ってみせますよ!