第2章 夢見る日々はきっと
料理を全員分のお皿に…夕ご飯完成ですね!
「お鍋の中身は肉じゃがだったんですね!」
「ああ、加州くんと決めたんだ。
このれしぴ本を見てね」
燭台切がセンスだけで作り上げた訳ではなかったようです。
お料理ロボット的な人だったらどうしようかと思いました!
「サラダに茹で玉子ですか…小さい子は野菜が苦手な子が多いですし、こうしたら食が進みやすそうですね!
わたし、料理の知識が皆無だったので助かりました!
ありがとうございます、燭台切!」
どういたしましてと笑う燭台切に、お母さんじゃなくて…お金がなくても愛があれば大丈夫な新妻さん感が…って何を考えているのでしょう。
「それじゃあみんなに運んであげましょう!」
二枚用意したお盆に料理を乗せてみんなのところに運んであげます。
アニメは終わってバラエティー番組を見ていたみたいです。
「ご飯ですよー!」
「主!手伝うよ!」
「ありがとうございます!」
清光がぱっぱとわたしのお盆の上の料理を配っていきます。
「お箸はどうする?」
「えっと、これは清光で、これは乱、大きいのは燭台切で、小さめのが今剣ですね。
余ってるのがわたしのです!」
お箸を配っている間に乱と今剣が麦茶をコップに入れてくれました!
「あるじさんはここね!」
「ふふーはーい!」
わたしは乱の隣に座って、正面に3人が並びました。
「いただきますは、燭台切に言ってもらいましょうか!」
「え?」
ちょっと戸惑った燭台切ですが、隣の今剣が早く早くと急かす視線を送っていたので困ったように笑い、手を合わせました。
「いただきます!」
いただきますと言ったわたし達はテレビを見つつお喋りしながら食べ進めていきます。
「あるじさん!はいっ、あーん」
「へっ、あ、あー…」
ご飯をつまんだお箸を突然向けられたので吃驚しました!
乱はやってあげたよ!と言わんばかりの表情です。
「楽しいですね!」
「ボクにもやってー」
あーと口を開けた乱。乱のお茶碗からご飯を一口分お箸で運びます。
「はい、どうぞ」
「ん~!…おいしい!」
すっごく楽しそうでなによりです。
そのままわたしはもぐもぐと肉じゃがを食べます。
「主っ!俺もやる!」
清光!?い、いつの間に隣に!?と思いつつ肉じゃがを飲み込みます。