第2章 夢見る日々はきっと
今剣のエプロンは可愛い熊が描かれていて、乱のエプロンはふりふりしているものを選びました!
自分のは無難なものにしました。流石にこんな可愛いのを自分から着られませんよ。
「よし!じゃあやる気だしていきましょう!」
エプロンだけでこんなに楽しそうな二人を見るのもいいですが、料理ができあがりませんからね。
茹で玉子は合計で4つですね。
「あるじさま、これぜんぜんつるつるになりませんよ」
剥いた後の茹で玉子が1つ入った小さなボウル。
つるつるで綺麗ですが、清光がやったものでしょうか。
今剣は拗ねたように頬を膨らませて唇を尖らせながら殻を剥がしています。
殻に白身がついていたり爪に入ったりしているみたいですね。
乱も同じ状態みたいです。
「こう、殻にヒビを入れたら、あまり力を入れずにぺりぺりっと…」
玉子の殻剥きくらいできます。うん、綺麗に剥けました!
ボウルに入れて、次は二人の手伝いですね!
「うー…ん?」
「乱、そんなに爪を立てなくて大丈夫ですよ」
「こうかな…?」
「はい!そういう感じです!」
「ほんとだ!つるつる!」
乱は簡単に剥けるようになって嬉しそうに少し凹凸のある玉子を色んな角度から眺めます。
いつまでも持っていたって仕方ないので手を洗うよう言いました。
「あるじさまぁ~」
「あっ玉子をぎゅってしたら潰れちゃいますから気を付けて!」
うう~と難しそうにしている今剣。
細かい作業とか苦手なんでしょうか?
「落ち着いて、ゆっくりやってみましょう」
今剣の後ろに回って、そっと手を添えて簡単に誘導してあげます。
「ここからすっとやってみたら…」
つるりと殻が剥がれました。
「わぁ!すごいです!」
今剣は努力の痕がたくさんついた玉子を持ってぴょんぴょんと跳ねました。
わたしと今剣も手を洗って、一仕事終えました!
「あるじさまっありがとうございます!」
「どういたしまして!よくできました!」
頭を撫でてあげると今剣はいつの間にか清光がアニメを見ていたのでぼくもみてきます!と行ってしまいました。
「あるじさん!夕ご飯はボクの隣で食べてよ!
ボク、あるじさんにご飯食べさせてあげたい!」
「それじゃあ、お願いしますね!」
「やったー!じゃあ席取ってくるー!」
乱は約束だからね!と急いで場所取りに向かいました。