第2章 夢見る日々はきっと
「ええっと、やっとお仕事に一段落ついたので、お買い物に行こうと思います!」
このお家は、あらかじめ家電などは揃っていて、衣服も余裕を持って送られて来ますが(清光情報だと、同じ服が何着か送られてきたそうです)、食べ物は非常食ぽい缶詰めとか、カップラーメンとか、食パンとかいったものは多めに用意されていますが、料理に使う食材は…全然ありませんでした。
一日分もありませんよ、あれ。
一人分ならどうかわかりませんが、これから増えるとなると絶対足りないでしょって感じです。
シャンプーなどは政府側からほぼ無限に供給されてて、衣服もですが、好みのものを使いたいならお給料で買ってねというシステムだそうです。
ペットの飼育も自由だそう。
「そして、お出掛けに行っている間に、鍛刀も行っちゃおうと思います!」
今日の1回目こそ手伝い札でぱぱぱっと終わりましたが、本来はたくさん時間がかかる筈なんです。
ならお出掛けしている間にできていたら、すぐに顕現できるのでちょうどいいじゃないですか!
「多分そろそろ今剣の荷物があの部屋に来てる筈ですし、用意が済んだらこの部屋に集まることにしましょう!」
そして自室。
どれくらいお金を持っていくべきか、どの鞄を使うべきか、それからこの服装ででかけるのか…等を考えています。
お金はたくさんあれば困りませんが、多すぎても邪魔ですし、このくらい、で大丈夫でしょう!
鞄は…あ!そういえば届いた荷物の中にエコバッグがありました!
スーパーの袋はゴミを入れたりするのに使えそうなのでいただきますが、エコバッグを持って行きましょう!
ポシェットがあるので、お財布はこれで持っていって、エコバッグは畳んで小さくできるものなので一緒に入れておきます。
この服装…大丈夫でしょうか、わたし。
いいえ、清光が選んでくれたんです。
何を迷う必要があるのですか?
センスのないわたしの意見が正しいわけがない!
これは変ではないのですよ!わたし!
ポケットティッシュやハンカチを入れたら…ばっちり!完璧です!
「これで大丈夫です…よね!」
ポシェットのチャックを閉めるとほぼ同時に、とんとんとノックする音が。
「あるじさま~」
今剣ですね。どうしたのでしょうか。
「今行きますー」
ポシェットをつかんで、ロックを解除して出てみると、今剣が困った顔をしていました。