第2章 夢見る日々はきっと
「それでは主さま、次の仕事がありますのでこれで失礼させていただきます」
「はい、わかりました!お勤めご苦労様です!」
「何かありましたらいつでもお呼びだしくださいませ」
ぼふっとまた煙をあげてこんのすけは消えてしまいました。忍者っぽいですね。
「ええっと、それじゃあ…お家の案内、から…でしょうか?」
わたし達は昨日同様にお家を巡っていって、今剣の部屋決めを開始しました。
「そういえばあるじさま」
「どうかしました?」
うーん、と少し悩んで見せた今剣は、わたしに質問をしてきました。
「あるじさまは、みんなになまえをおしえるつもり…なんですか?」
「…え?勿論、そうですけど…?」
今剣はそういうことか!と何かに気付いた反応をみせて、「わかりました!ありがとうございます!」と言いました。
何故かその質問は、清光も何かに納得しているみたいで、わたしにはよくわかりませんでした。
「あ、ここなんかどうでしょう?
今剣はえっと…刀派、でしたっけ?
それが同じ方達が来たときに同じ部屋にできるよう、この広めの部屋とか…」
7人程度なら余裕を持って活動できそうな部屋をすすめます。
部屋の奥にある、小さい子が遊ぶ家の中の、滑り台がついてて、滑り台の下部分にはお店やさんごっこできそうな遊具(日本ではあまり一般的じゃなさそうな木の丈夫そうなやつです)が置いてある部屋です。
「うーん、ちょっとせまくなるかもしれませんが、だいじょうぶだとおもいます!」
「えっ?そ、そんなに多いんですか?」
「いえ…そこまでおおくはならないとおもうのですが…。
でも、ばしょをとるおおきいのばかりですから」
「は、はぁ…」
今剣は遊具に一直線です!楽しそう…!
「主、流石にあれじゃ遊べないよ」
清光が笑いながらそう言ってきました。
「あっ遊びたいなんて思ってません!」
ぷいっと関係のない方向を向いて、すねてみせます。
ごめんごめんと軽く謝る清光に、もーっと言っているとあるじさまーと声がします。
今剣がこちらまで戻ってきました。
下駄は脱がせて玄関に置いてきたのですが、ぴょこぴょこと身軽に跳ねるように移動するので、何だか鳥みたいですね。
「みててくださいねー!」
ぴょんっと跳び跳ねる…というか、部屋の入り口から真ん中までをたった1回のジャンプで…!?