第1章 空気と同じ透明から
清光の部屋はわたしの部屋…さにわとして、色々お仕事するためのものから私生活のものまで全部そろう(予定ではですよ)一人部屋だけど広い目のお部屋の隣の、二段ベッドがひとつあって、タンスとか机とか、部屋の広さからして二人部屋の部屋になりました。
何でも仲良しの刀と二人部屋になりたいのと、わたしの部屋の隣がいいらしいです。
わたしの部屋の隣がいいなんて…主冥利につきますね!
そして、仲良しの人に早く出会えるようにしなくてはです!
余談ですが、わたしの部屋には大きくてふっかふかの、天涯つきのベッドです。
しかもこの部屋、ぬいぐるみが置いてありました!
動物のぬいぐるみで、なんかダークメルヘン感が少しある…同じシリーズなんでしょうかね?
眼帯をつけているワインレッド?の熊とか、キバを見せているウサギとか…。
今夜は一番右に置いてあった眼帯熊のぬいぐるみと寝ることにしますか。
ベッドの話に戻しますね。
ちょっと試しに寝転んでみましたが、心地よすぎて逆に眠れませんよ。
ちょっとでも狭く感じるよう、布団を被って猫みたいに小さく丸まって、ぎゅっと熊を抱きしめてみます。
それでも、大きくて、落ち着かない、です…。
…そうだ、ちょっと清光に来てもらえないか聞いてみようかな…。
のそのそとベットから出て、個人部屋や他の一部の部屋は襖(障子の部屋もあります)に鍵をかけることができるのですが、出入り口横にタッチパネル?があって、4桁の暗証番号を設定できるのと指紋認証と目の認証(虹彩認証というそうです)で、設定していればどれかで解除できるんですよ。
ちなみに空き部屋は未設定です。
解除して一度扉が閉まったらまた鍵がかかる仕組みでって、何故わたしはこんなにセキュリティについて語っているのでしょう、怖がりすぎですね。
人差し指で鍵を開けて、部屋を出ます。
一歩出たとき冷たいと予想してたのに、ちっともひやっとしていないのが不気味です。
急ぎ足で隣の扉の前に来て、とんとんとノックします。
清光の部屋もちゃーんと三種類全部設定しましたよ!
「き、清光…起きてますか…?」
「主どうしたの?あっ待って!今頭ぐちゃぐちゃで…!」
清光の慌てる声が一度襖の近くでしましたが、引っ込んでしまったみたいです。
…たかが髪型なのに、なんでそんなに気にするんでしょうか…?