第4章 2人の距離 4
朝、目が覚めると隣に由梨は居なくてリビングにフラフラしながら行くとコーヒーの良いにおいがした。
はよー。と言いながら頭をガシガシと片手でしてソファでボーッしていると由梨が淹れたてのコーヒーを俺の前に差し出した
「一応軽めの朝食ありますけど食べます?」
「んー。…軽め度合いによる」
欠伸をしながら言い食べれそうなものだったので食べると言うと目の前に置かれたのでボーッとしながら口に運ぶ
正直朝は普段食べないから食べなくても全然良いんだけど朝食かっていうくらいの軽めだったので自然と口に運べる
俺がゆっくりしている反面由梨は忙しなく動いているので、もう出んの?と聞くと、はいと答えるので俺も一緒に出なきゃなと思いゆっくり立ち上がり着替えようとしていた。
すると慌てて合鍵を俺に渡す由梨
「まだ時間あるなら急がなくて大丈夫です。これで閉めといて下さい」
え、そんなんで良いのかよ。
そんな事を思ったけど一応素直に貰っておく、
「えっ。…あー、そう。わかった」
鍵を受け取り座り直してコーヒーを飲んだ。
由梨が玄関へ行くのが見えたので少し大きめな声で、行ってらっしゃーい。と言うと何が可笑しかったのかちょっと笑い声が聞こえた
「フフッ。…行ってきます。」
ガチャン。と扉の閉まる音がする。
俺、信用されすぎじゃない?
昨日初めて来たよな。ここ。
昨日からほんとにあの人は。
それでも信用してくれて悪い気はしない。
そしてふっと昨日見つけた母子手帳が置いてある棚を見つめる。
やっぱ、貰うわ。
お前のかーちゃん。
その日の仕事後は久々にお馴染みメンバー数人で飲んでいた。
そういえばと思い昨日由梨に久々に会ったと言うと皆んななんとなく仕事復帰している状況を理解していたらしく呼べ呼べと騒ぐ
「仕方ないなー。」
内心満更でもなくニヤつきながら昨日教え直して貰った番号に電話をかけるが既に雪乃さんと飲んでいると言うので早々に切ると残念そうにする人たち。
しょうがないじゃない。と笑いながら言うと努力不足だと言うのはしのぶちゃん。
「いやいや。そういう問題?」
「ずるいじゃない。ニノだけ先に会うとか。抜け駆けよ」
怪しくニヤニヤしながら言うしのぶちゃん。