第1章 2人の距離
「ありがとうございました。また運転させちゃってすみません」
降りる準備をしなが言うのでタバコに火をつけながら、気にすんな。と笑った
「んじゃあ、またみんなで飯行こうな。」
タバコを持っていない方の手で頭をポンポンとした。
由梨が降りてドアをゆっくり閉める。
ちょっと寂しくなった。
もう。終わりなんだよな。
どうしても。
あと一回だけ触れたい。
ちょっとおいで。と手招きをすると不思議そうな顔をして俺のいる運転席側に回って来てくれた
なんですか?と聞かれたので
「今日は無礼講なんだろ?…これで最後だから」
そう言って身を乗り出し由梨のおでこにキスする
「…ごちそうさまです。」
キスされたおでこを摩る由梨
「いや、なんであんたが言うのよ。」
それ俺のセリフだから。と笑いながら手をふりじゃあね〜と車を発進させた。
チラッとミラーにまだ写り込む由梨は未だにおでこをさすっている。
そんな由梨はやっぱり面白くて思わず吹き出した。
最後に思わず欲が出てしまったけどあの顔が見れたから結構満足だ。
しかも、ごちそうさま。って何よ。
1人で思い出し笑いをする。
多分側から見たら気持ち悪いと思う。
由梨との不思議な関係は終わってしまったけど、これからそう言うのなしで普通に友達として続けていきたい。
それくらい由梨は俺にとって魅力的だった。
それからまさか、本当に終わってしまうなんて思ってもみなかった。