• テキストサイズ

~蜜の音、甘い声~【R18】

第1章 ~初夜の声は、さらすもの。~



「やあ、やっと来たか。待っとったぞ。」
「はるかさん、いらっしゃい。」

庭先で植木の手入れをしていた
おじい様とおばあ様が、
いち早く声をかけて下さる。
隠居しているらしいけど、
それでもシャンとして背筋の伸びたお二人。
“老夫婦”なんて言葉は似合わない。
“おじい様、おばあ様”という
呼び方がぴったりのステキなお二人だ。

おじい様たちの声が聞こえたのか、
ご両親も縁側から顔を出してこられた。

「おお、はるかさん、久しぶりだな。」
「遠かったから疲れたでしょ、
さあ、あがってお茶でも飲んで。」

この家の当主であるお義父様は、
現役の宮大工さん。
がっしりとした体つきと低い声が
圧倒的な存在感を放っていて…

その少し後ろに控えているお義母様は、
やさしさと頼り甲斐がにじみ出ている。
きっと、おばあ様に学びながら
この家のしきたりや歴史を
受け継いでこられたのだろう。

「孝一兄さん、久しぶり」
「結婚、おめでとう。」
弟たち二人とは初対面。

「あの、初めてお目にかかります、
はるかです。よろしくお願いします…」
「こちらこそよろしく。」
「仲良くしようね、姉さん。」

そういってくれる弟さんたち。
兄弟がいない私にとって、
“姉さん”と呼ばれるのは
恥ずかしいような嬉しいような…
でも、幸せな気分。

/ 46ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp